100周年
記念事業

理事長挨拶

2023年の宝仙学園

MESSAGE
学校法人宝仙学園 理事長
冨田道生

建学の精神が根づく学園の教育

「日常」を大切に、学園での学びを謳歌してほしい

 本年度に入り、世界的に感染が拡大していた新型コロナウイルス感染症は、ようやく落ち着いていく兆しが見えてきました。これまでの3年間は、人々の日常生活そのものが制限を余儀なくされ、学園においても、経験をしたことのないコロナ禍での学校生活が続いていました。このような状況の中、宝仙学園では、各部門が取り組んできたICT教育機器による教育の成果を発揮し、オンラインによるリモート授業やハイブリッド授業等を、いち早く実施することができました。質の高い教育活動の維持に努め、そして、徐々にオンラインでの授業から感染防止策を徹底した対面授業へと移行しつつ、今春の新学期を迎えたわけです。
 学園の子どもたちや保護者の方々をはじめ、学園関係者の皆様におかれましては、コロナ禍という苦難の中での教育運営に対し、多大なるご理解とご協力を賜りましたことに、心から感謝を申し上げる次第です。本年度は、対面での授業の実施は勿論のこと、各部門の学校行事も通常のかたちで実施することが叶い、学園本来の日常生活が戻ってくることを期待しています。子どもたちには、今回のコロナ禍を機にあらためて気づくことのできた「日常 」というものの大切さを忘れずに、学園での学びを謳歌してほしいと願っています。

建学の精神が育む人としての力

 宝仙学園は、「仏教精神を基調とした人間教育によって、品格と知性を兼ね備えた人を造る 」とする建学の精神を掲げ、将来に向けた人格形成の教育を実践するとともに、進学文化と保育文化の二つの学園の文化を築いています。
 学園の教育の柱である建学の精神は、各部門のさまざまな活動の中でしっかりと根づいています。幼稚園では設立以来、感応の心を育んでいく保育を大切にしていますし、小学校は、慈悲の教えをもとにした思いやりの心を育てる教育を重んじています。そして、中学校・高等学校では、コミュニケーション能力を伸ばしながら、多様性を尊重する学びを推進させ、大学は、乳幼児の気持ちを理解し、支援することのできる実践的な保育者の養成を行っています。各部門の教育が育む子ども自身の自己の確立や他者と関わる力は、今日のグローバルな社会においても、人が生きていく上での根源的な力であると言えるでしょう。
 また近年では、建学の精神を基盤とした教育は、部門間連携の取り組みを活性化させています。幼稚園と小学校、小学校と中学校、高等学校女子部と大学、大学と幼稚園。学園内での部門間連携は、教育、進学、研究等、さまざまな分野において交流がなされ、そこに生まれる人と人とのつながりに、総合学園としての宝仙学園らしい教育体制の姿が象徴されています。今後も連携をさらに深化させ、学園全体が一体となり、教育や文化をより豊かなものに育てていきたいと思います。

創立100周年に向かい、理想の学園をつくり続ける

 宝仙学園は、2023年の時点で、学生、生徒、児童、園児の総数が、2535名となりました。本年度はこれまでにも増して、活気の溢れる学園になることを想像しますし、各部門の教育活動も充実していくと感じています。
 こども教育宝仙大学は、総学生数が開学以来最大に達し、また保育職への就職率が、全国的なレベルでも非常に高い大学として評価され、伝統ある「保育の宝仙 」の実力が着実に拡がっています。2年目を迎える「オーストラリア保育留学制度 」のほか、本年度からスタートする「こども心理マイスタープログラム 」や「HOSEN社会連携プログラム 」等により、特色ある大学教育がますます進展していくことでしょう。
 中学校・高等学校は、「知的で開放的な広場 」という校風が一段と浸透し、その中で学ぶ生徒たちの活き活きとした様子を嬉しく感じます。共学部「理数インター 」は、中高一貫教育の成果により進学の実績を伸ばし、安定した社会的評価を得ています。そして高等学校女子部「こども教育コース 」では、大学との高大接続教育や幼稚園での実習体験等、保育に対する学びを積極的に行なっています。共学部、女子部ともに、これからも生徒一人ひとりが自己ベストの更新をめざして、さまざまなことにチャレンジしてもらいたいと思っています。
 小学校は、「豊かな情操と高い学力 」を育てる理念のもと、学園の建学の精神につながる「道徳 」の授業をはじめ、これまでも推進してきたICT教育や英語教育等を、より高次に展開しています。さらに本年度は、試行を続けてきた放課後の課外活動である「アフタースクール 」が、本格的に実施されます。子どもたちや保護者の方々のニーズに応え、ユニークな教育活動に発展していくことを、大いに期待しています。
 幼稚園では、「あそびの中に、学びをつくる。あそびの中で、人をつくる 」を教育のテーマに、園生活における子どもの実体験を大切にした保育を進めています。また、幼稚園と家庭との信頼関係を築きながら、「子ども」「保護者」「保育者」の三者の力が一体となる教育に取り組んでいます。今後も、感応の心が育つ良質な教育環境を保持し、子どもが幼児期に身につける力をしっかりと伸ばしていきます。
 宝仙学園は、各部門ともそれぞれの教育理念を昇華させ、子どもたち一人ひとりの主体性を醸成しています。そして日々の教育活動を通じて、学園全体が建学の精神の意義を丁寧に実践していることに、誇りをもっています。建学の精神のめざすものは、日常生活の中で培われるものであり、そこで磨かれる人としての品性は、学園の教育と伝統、そして、文化の根幹を築くものであると信じます。宝仙学園は、2028年に学園創立100周年を迎えますが、これからも変わることなく、仏教精神を大切にした人間教育の質をより一層高め、理想の学園を目指して歩んでいきたいと思います。

2023年5月

Copyright©2023 Hosen Gakuen, All Rights Reserved.