宝仙学園ガイドブック 2020-2021
5/40

支えあう三つの力 宝仙学園の校章は、三角形が基本になっています。 三角形の出処は胎蔵界曼荼羅に由来します。そこには414尊の仏様と中央上部に唯一仏様のかたちをしていない三角形が描かれています。お釈迦様の頭の頂きを象徴したものです。 この三角形は、物を創造し、発展させる力を表しています。また正しい智慧を生み出す力を意味することから「遍知院」と呼ばれ、慈悲深い仏様が生まれるところという意味で「仏母院」とも称されています。 三角形は三つの角が支えあって調和のとれた世界を構成しています。仏教では「功く徳どく力りき=自己の力」「加か持じ力りき=相手の力」「法ほっ界かい力りき=自然の力」といいます。教育の世界にあてはめると、一角は「学生・生徒・児童・園児」、一角は「学校・教師」、一角は「家庭」となります。 宇宙(世界)が三つの力で調和が保たれているように、教育も三つの力が支えあって完成します。これが宝仙学園の校章の意味する世界です。3HOSEN GUIDE 2020-2021「人を造る」 「私は、教育は『人』を養成するものであると確信致します。智識の如きは第二位にあるべきものだと思います。故に私はあの学校は英語が能く出来るとか、裁縫が旨いとか、音楽が上手だとか云って誉めて貰いたくないのであります。出来得るならば、あの学校は『何となく品がよい』と云って貰いたいのであります。」(中野高等女学校設立趣旨「人を造れ」より) 創立者がめざした教育は、「人を造る」教育です。そして「宗教的信念を根底においた人格教育の達成」を目標に定めました。宗教的信念を得た人間は、どのような社会事情に遭っても、自らの力で人生を切り拓いていく。一方、宗教は教えこむものでなく、自然のうちに感受するものであり、自然の感化により得た信念は偉大な力となり、人間形成の源泉となる。こうした考えから、学園建設にあたっても、日々の生活で宗教的な雰囲気が感受できるようにと、その地を宝仙寺の敷地内に定めました。「宇宙人格」を標榜 創立者は「人を造る」教育として「宇宙人格」を標榜しました。 宇宙人格とは、人智を超える巨いなるいのちの存在を感得することにより育まれる、心豊かな人格を意味します。すなわち人は自ら生きているのではなく、巨いなるいのちにより生かされている。このことを感得することにより、慈悲や感謝の心を育み、生きる意欲を高め、豊かな人生を歩む。創立者がめざした教育は、人間の存在を思考し、そこから人間の生き方を学ぼうという教育なのです。 創立者の教育への想いは、宝仙学園の建学の精神として、90年を経た今日まで連綿と受け継がれています。宝仙学園の校章学園章大学中学・高等学校小学校幼稚園

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る