42020年の宝仙学園教育環境の充実を進める 元号が令和に変わり、2年目を迎えました。さまざまな分野における技術革新が加速度的に進展する今日、社会はかつてないスピードと規模で大きく変化をしています。 こうしたなか、宝仙学園のまなざしは、来たるべき創立100周年に向かっています。2028年に、その記念すべき100周年を迎えますが、それまでの間に、学園はどのように教育体制を整えておくべきなのか、熟慮しているところであります。大切なことは、「仏教精神を基調とした人間教育によって、品格と知性を兼ね備えた人を造る」とする学園の建学の精神を基軸に、社会の変化に対応しつつも、時代に流されずに歩んでいくことだと思います。そのうえで、各部門における教育環境や、ICT教育をはじめとする教育設備等の、さらなる充実を推し進めたいと考えています。感応の心を大切に 宝仙学園は、創立100周年に向けた長期ビジョンを、「感応の心を大切に、共に学び、高め合う、理想の学び舎を創造する」と定めました。感応豊かな人の育成は、学園創立以来、実践をしてきた教育の根幹だと言えるものです。心の安定は正しい知恵を生み、豊かな情操は学びの意欲を高めます。それらは、宗教的な雰囲気の中で学園生活を送ることにより、自然のうちに感得するものです。心豊かな人間は、敬虔の心、慈悲の心、感謝の心、奉仕の心を育み、生きる意欲を高め、自らの力で人生を切り開いていくのです。 この長期ビジョンにおいて、「感応の心」をキーワードに掲げましたのは、急速な社会変化が進む中で、人の心の状態が不安定になることを危惧するからであります。AIやロボットなどのテクノロジーが日常の生活において浸透することで、人間に求められる役割の再定義が創立100周年に向かって学校法人 宝仙学園理事長 冨 田 道 生
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