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2021年の宝仙学園

学校法人宝仙学園 理事長 冨田道生

ICTを活かし、さらなる人間教育を進める

コロナ禍における学園教育の推進

 世界全体に蔓延した新型コロナウイルス感染症の拡大は、現在もなお、人々の日常生活に不安をもたらし続けています。学園の子どもたちや保護者の皆様、教職員をはじめ、学園関係者の皆様におかれましては、くれぐれも健康、体調管理には充分に留意をされますことをお願い申し上げます。そして、感染が一刻も早く終息し、おだやかな学園生活が戻ってくることを心より祈念しています。
 昨年からのコロナ禍のなか、宝仙学園では、学内環境の感染防止の徹底はもちろんのこと、オンラインによるリモート授業や保育の実施、また、対面授業やハイブリッド授業等により、困難な時期を乗り越えてきました。各部門とも、状況の変化に応じて学びを止めない教育活動の継続に努め、学生や生徒、児童、園児、そして、一人ひとりの教育を支える教職員と保護者の皆様とが、しっかりとつながりを保つことができたと思います。このことは、学園教育の在り方が、コロナ禍においても不変であることの証しであり、それに加え、各部門がICTを活用した教育力を発揮できたことは、学園の先進性を象徴するものであったと強く感じています。今後も自信をもって、学園の教育を推進していきたいと考えます。

 

創立100周年に向かう人間教育

 宝仙学園は、建学の精神において掲げるように、「人を造る」教育、即ち、人間教育を実践している学園です。昨年度は、2028年に迎える学園創立100周年に向け、「感応の心を大切に、共に学び、高め合う、理想の学び舎を創造する」とする長期ビジョンを定めました。このビジョンのキーワードである「感応」は、幼稚園の創立時の園名にも使用されていますが、学園にとってはとても重要な言葉として位置づけているものです。
 「感応」の育成とは、学園が行う人間教育の根幹であるといえます。人は、決して一人では生きていくことはできません。人が存在するということは、自然や社会、あるいは他者といった人を支える周りの世界との関係があってこそ、成り立つものです。仏教には「縁起」という教えがありますが、世の中に存在する全てのものは、「縁」によってつながっていることを意味する教えです。宝仙学園が伝える「感応」の言葉のなかには、そうした「縁」を大切にしてほしい願いが込められているのです。これからも学園で学ぶ子どもたちには、さまざまなものとのつながりを感じ、またそれらに応じていくことを意識しながら、成長していってほしいと思っています。

 

教育の充実を学園の歴史と伝統につなぐ

 宝仙学園は、2021年の時点で、学生、生徒、児童、園児の総数は、2542名となりました。これまで以上に、多くの子どもたちが在籍する活気ある学園となり、各部門の教育の取り組みに対する結果であると、大変に嬉しく感じている次第です。今後も部門間での交流をはかりながら、皆が過ごしやすい学園をつくっていきたいと思います。
 こども教育宝仙大学は、昨年度を上回る新入生が入学をいたしました。保育者養成の専門の四年制大学として開学以来、着実に「保育の宝仙」を牽引する部門に成長していることを感じます。「オーストラリア保育留学制度」のスタートなど、今後のグローバルな教育展開にも大いに期待をしているところです。
 そして、中学校に15期生が入学した理数インター(高等学校共学部・中学校共学部)においては、中高一貫教育の成果が、大学進学実績として良好な結果を出し続け、安定した社会的評価を得ています。また、高等学校の女子部は、保育コースに特化した独自の教育体制となり、大学との高大接続も活発に展開し、生徒たちが将来の保育者をめざす目的意識をしっかりと持てるようになりました。生徒自身が主役となり、部門が目指す「知的で開放的な広場」がつくられていることを感じます。
 小学校は、ICT教育の推進やその活動を通じた情報発信等、常に積極的なチャレンジを続けています。そうした日常の教育の成果は、コロナ禍においても迅速なリモート授業の実施を可能にさせ、学外からの評価も一層高まっています。現在の小学校の教育の取り組みは、豊かな情操と高い学力の育みをさらに発展させることでしょう。
 そして幼稚園においては、「あそびからの学び」をテーマに掲げ、体験を大切にする保育を進めています。幼稚園の教育活動は、日常の園生活のなかでの園児の指導とともに、保護者との信頼関係の構築にも力を注ぎ、幼稚園と家庭とが一体となる理想的な幼児教育を展開しています。今後も変わらずに、きめ細かい保育が継続されることと思います。
学園の各部門は、一つの総合学園のなかにおいて、それぞれの教育の取り組みを充実させながら、学外の高い評価を得ています。どの部門においても、子どもたち一人ひとりに寄り添い、しっかりと育てていく教育を実践することにより、宝仙学園の教育を生み出していると思います。人と人との関わりを大切にした人間教育こそが学園の文化です。これからも学園の全員で学び、高め合い、理想の学び舎を創造していきたいと考えます。
宝仙学園のまなざしは、来たるべき創立100周年に向かい、教育環境整備の計画策定に着手しました。「仏教精神を基調とした人間教育によって、品格と知性を兼ね備えた人を造る」とする学園の建学の精神をより一層進められるよう、「今」という時代と向き合いながら、学園の歴史と伝統を築いていきたいと思います。

 

2021年5月

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