宝仙季報 No.162
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12 「夢中」。初めて宝仙小の運動会を見た時に思い浮かんだ2文字です。 子どもたちが、瞬間瞬間に夢中になっている姿が印象的でした。そして、子どもたちがそこに夢中になれるのは、先生たちが本気だからです。「環境をつくる」それが私たちの仕事なんだと感じた瞬間でもありました。私が宝仙小の運動会を経験するのは、今年で13回目。コロナ禍で失われたものは想像以上に大きく、昨年復活させた応援団では、声を出すことも恥ずかしく、声を張り上げられるようになるまでに時間がかかりました。そんな中でも子どもたちは勇気を出して、当日にはこれまでの応援団に負けないパフォーマンスをすることができました。恥ずかしさや、不安、毎日の朝練習への参加等、辛い時間もあったと思いますが、それを乗り越えた子どもたちの表情はやはり自信に満ち溢れ、当日は自分たちの役割を全うし、その姿は周りの子どもたちを巻き込み、小学校全体で夢中になって運動会をすることができたと感じています。 「夢中に勝る努力なし」という言葉があるように、「夢 当番活動では、様々な体験を通して心と身体の成長を促しています。今年度は当番活動の具体的な姿や学びをご紹介します。『年中組 食事当番』 今日は誰が食事当番かな?と食事当番を楽しみにしている年中組です。グループの中の1人が食事当番となり、グループ全員分の箸や牛乳、食事を配ります。食事当番は「1・2・3・4…」と自分のグループの子が何人なのかを数え、配ります。その中で、1対1の対応を知り、数を学んでいきます。箸は2本で1膳が年中組にとっては難しく、苦労しています。繰り返し、2本で1膳を経験することで、2本ずつ手に取り、配ることができるようになります。友だちに配膳する時には「どうぞ~」配膳された子は「ありがとう」と、自然とお礼の言葉も出るようになってきました。『年長組 花当番』 生活グループで1人ずつ順番に花当番が回ってきます。花当番になった子どもは、お母様と一緒にお花屋さんに行き、好きな花を選び、1種類の花を3輪持って登園します。保育室にある花瓶の大きさに合わせ、茎の長さを切り揃えたり、適量の水を花瓶に入れたり、花が長持ちするように茎を洗ったり、毎日お世話を頑張っています。 食事の際には、食卓の心地良い雰囲気を感じながらテーブルの中央に花を置きます。皆からきれいだと認めてもらうことや、任されることのうれしさ、忘れずに行う責任感など、様々な経験を大切にしています。夢中になって運動会をすることができた中」が持っているエネルギーの強さを信じています。運動会は、人生の中の経験の一つにしかすぎないけれど、小学生にしかできない「夢中」のなりかたがあるように思います。子どもたちの心を揺さぶる経験の一つとして、とても大切な活動と捉えています。今年も本気で夢中になれる運動会を子どもたちと一緒につくります!みなさんが夢中になれることはどんなことですか…? (保健体育科 市川智子)Hosen News宝仙学園小学校宝仙学園幼稚園「夢中になる」経験。成長に合わせて当番活動を取り入れています。

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