宝仙季報 No.163
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宝仙学園高等学校女子部 教諭中村美恵子宝仙学園高等学校女子部 Ⅱ年A組小嶋杏樹・永山摩耶宝仙学園小学校 教諭山崎剛士宝仙学園高等学校女子部 Ⅲ年A組 村上華園宝仙学園高等学校女子部 Ⅰ年A組明石沙衣宝仙学園小学校 教諭中島由美子 生徒から「先生、どうして教師になったの?」の問いに、「学校が好きだったから」と答えています。旧友に会うと、「今何してるの?」「○○ってまだ未婚?」と近況を聞き、還暦もとっくに過ぎた私たち婦人集団は、再会した瞬間に学生時代にタイムスリップしてしまいます。恩師をあだ名で呼び、癖や話し方を真似たりして、いつも同じ昔話に花が咲きます。 宝仙学園に着任して今年で42年目。各時代で人数や制服は変わりましたが、いつの時代の生徒も明るく思いやりのある生徒ばかりでした。卒業生が来ると、思い出話に花が咲き、尽きることはありません。校舎が建て替えられても、宝仙学園という学び舎での思い出は、今後も変わることはないでしょう。 私たち2年生は、今年の宝仙祭でミュージカル「リメンバー・ミー」を作り上げました。クラス29人全員が出演し、「家族」をテーマに語られているこの物語に挑戦しました。とても大変で、果たして公演できるのか、不安でいっぱいの日々でしたが、支え合いながら、自分たちなりの家族愛の物語ができたと思います。そして、改めて自分を支えてくれるクラスメイトや家族のありがたみに気付きました。 演じる側として最後の宝仙祭。それぞれみんなが悔いが残らないよう、最後の最後まで修正を重ね、宝仙祭本番の発表では、悔いなく終えることができました! 宝仙小に来て、8回目の秋を迎えています。小学校では幼稚園と連携し、幼稚園生を小学校理科室に招いて行う実験教室を、毎年3回実施しています。先日、5年生の児童に「私たちも幼稚園のとき先生と実験したよね!」と話しかけられました。正直、私はその子がいたのを覚えていません。しかし、その児童が思い出しながらうれしそうに話してくれたことに、感慨深くなりました。 日々やることに追われ、あっという間に過ぎた7年半。しかし、その日々は子どもたちと歩んだ大切な一日一日。そのことを忘れず、これからの日々も大切に、丁寧に、子どものために邁進していきたいと思います。 これまでの高校生活で、私は保育の知識だけではなく、様々な経験を積むことができました。私の中で最も印象に残っているのが、Ⅱ年生での宝仙祭です。ミュージカルの総監督を任された私は、初めてみんなを引っ張る立場に立ちました。家に仕事を持ち帰っても減らない現実に、頭を悩ませる日々でした。しかし、クラスのみんなと支え合いながら過ごした4ヶ月は、私にとって単なる知識よりも、貴重な思い出と経験になりました。 保育者を目指していることもあり、来年からはこども教育宝仙大学に進学します。自分の夢を叶えるために高校生活での経験を活かし、成長し続けていきたいです。 宝仙祭で発表した『美女と野獣』で、私はベルを演じました。昔から人前に立つことが苦手で、今回のミュージカルも目立ちたくないという気持ちが最初はありました。高校に入り、自分の殻を破りたいと思い、ベル役に立候補しました。 練習では身振り手振りや台詞を覚えることができず、本番に間に合うか不安でした。しかし外部の方やⅢ年生に演技のやり方や直しをしていただき、本番をやりきることができました。 本番は少し失敗してしまいましたが、精一杯でき、楽しかったです。クラスの仲が一層深まりました。来年もこの経験を活かし、最高のミュージカルにします。 小学校には、マイラボという英語を学習する教室があります。ここに生徒は、「ハロー」と元気な声とともに入ってきます。 言語学習はとても長い道のりで、その入り口を担っているのが、小学校での学習です。私は、「その長い道のりを進んでいけるだけの大きなエネルギーを持たせてあげられれば」と考えながら授業に臨んでいます。 この道の先には、英語を通して今まで知らなかった世界が広がっています。そして言語を学習する過程は、必ず彼らの人生を豊かなものにします。子どもたちにはこの言語学習の醍醐味を味わってほしいと願いながら、私は今日もマイラボで大きな声で「ハロー」と返事をします。8変わらないもの ミュージカルの監督を経験して 大切な日々を重ねて 高校生活を経て ミュージカルの主役を演じて 人生を豊かにする言語学習

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