100周年
記念事業

理事長挨拶

2026年の宝仙学園

MESSAGE
学校法人宝仙学園 理事長
冨田道生

宝仙学園の伝統を礎に次の100年を見据えた学びを

時代の変化に応え、独自の教育活動を推進

 保護者の皆様並びに学園関係者の方々におかれましては、平素より本学園の教育運営に多大なるご理解とご支援を賜り、心より御礼申し上げます。

 昨年度より、創立100周年記念事業の一環である新校舎「宝仙百年館 The Terrace」の建設が始まりました。これに伴い、高校女子部が鷺ノ宮校舎へ移転することとなり、生徒や関係者の皆様にはご不便をおかけしていることを大変心苦しく思います。しかしながらこの新校舎の完成により、学園内の各部門の連携が一層強化され、宝仙学園の新たなランドマークとして大きな役割を果たしてくれるものと期待しております。 

 現代の社会では、少子化の進行、教育に対するニーズの多様化、デジタル技術の飛躍的な進展など、私たちの教育を取り巻く環境は従来とは比較にならないほどのスピードと規模で大きく変化しつつあります。このような不確実性の高い時代にあり、本学園の教育現場におきましてもさまざまな波が押し寄せております。将来の社会への見通しが不明瞭な今だからこそ、教育機関としてこれからの学修の在り方や教員としての責務と役割、教育環境の整備など、多岐にわたる教育改革を積極的に推進してまいります。幼稚園から大学までが同じ敷地内に存在する宝仙学園ならではの強みを最大限に生かし、今年度も各部門が連携しながらそれぞれの教育活動を充実させていきたいと考えています。

建学の精神と仏教を礎とした人間教育

 宝仙学園では、「仏教精神を基調とした人間教育によって、品格と知性を兼ね備えた人を造る」という建学の精神のもと、仏教の教えを人間教育の礎としています。これは仏教教育そのものを目的とするものではなく、仏教という大きな柱を軸に、こどもたちがよりよく生きるための人間教育を行うというものです。小中高で唱えている「十善戒」もそのひとつで、唱和を通じて自分の気持ちを意識的に整えることを目的としています。こうした時間を設けることで、こどもたちの心が整い、穏やかさや落ち着いた気持ちが育まれていくと考えています。
 現代社会では、AI や ICT 教育が急速に発展し、教育現場にもさまざまな先進技術が導入されつつあります。これらの技術は学びを豊かにする有用な道具となるでしょう。しかし、デジタル技術だけに依存し、それだけで教育を完結させてしまうことには違和感を覚えます。本学園では従来の紙を用いた学びや手を使ったアナログ的な教育も、こどもたちの成長に欠かせない大切な要素と考えています。そこで、デジタルとアナログの双方を適切に組み合わせたバランスの取れた学びをめざしています。
 AI 至上主義になりつつある現代だからこそ、本学園の建学の精神である人間教育の価値は重要性を増しています。こうした不変の価値を守りながら、時代に応じた新たな学びを取り入れていくことこそが、本学園の使命であると思っています。

各部門が互いに連携しながら、さらなる高みへ

 「人を造る」教育を基軸に、「グローバル教育」「リーダー教育」「情操教育」を柱に教育を行っている本学園は2026年現在、2340名の学生、生徒、児童、園児が在籍しています。
 こども教育宝仙大学は、「存在感あふれる保育単科大学を創り上げる」という理念のもと、教学上での新たな施策を次々と打ち出しています。2025年度からは「保育コース」「保育留学コース」「こども心理コース」の3コース制を導入し、多様な学生ニーズに応えるとと
もに、「児童厚生一級指導員資格」の取得も可能となりました。さらに、学内の「こども教育研究センター」が中心となった社会貢献活動にも積極的に取り組み、大学としての社会的責任を着実に果たしています。
 中学・高等学校は、「知的で開放的な広場」と「自己ベストの更新」を掲げ、新たな学校文化の創造に継続して取り組んでいます。今年度創設20周年を迎えた理数インターでは、進学実績がますます向上し、東京大学や医学部への進学者も輩出するなど、確かな成果を生み出しています。また、ICT化に向けた取り組みも推進されており、新校舎の教育環境のもとで実現をめざす新たな教育の在り方について、小学校と連携して検討を進めています。女子部ではとくにダンス部の活躍が目覚ましく、学園全体のイメージ向上にも大きく寄与しています。
 小学校では建学の精神の具現化をめざし、「自ら学び、チャレンジと共創から未来をつむぐ」という教育方針のもと、独自の教育活動の定着に取り組んできました。また、新たな取り組みの検証と継続としてカリキュラムの見直しを進め、中高との連携も推進しています。特色ある教育活動として英語活動や探究学習に力を注ぎ、外部機関や保護者との協働も大切にしながら教育活動のさらなる活性化を図っていきます。
 幼稚園では、「あそびの中の学び」を意識した教育の充実を進め、「感応の心」や「生きる力」を育む保育に取り組んでいます。また、時代のニーズに合わせて、預かり保育の拡充を進めるなど、保護者の方々との信頼関係の構築にも努めています。
 本学園は2028年に創立100周年を迎えます。この長い歴史は、皆様のご協力とご尽力、そして社会から寄せられた信頼の賜物と深く感謝しております。変化の時代にあっても建学の精神を大切にし、保護者の皆様からのご意見を取り入れながら、より良い学園づくりに引き続き力を尽くしてまいります。

 

2026年5月

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